ハッピーほりっく

今できる楽しいことをしようよ、それを恋と呼ぼうよ。

ヲタクの語彙は難しい・その3

<序文>

こんばんは、hiroです。

のえまるのオタク構文が楽しすぎて出典調べたブログ第3弾です。

今回は2019年12月18日分ののえまるに使用されているオタ構文について出典を調べたり感想を述べたりしました。

主に使用するのはGoogleのbefore検索とTwitterのuntil検索です。

調査不十分だったりwikipediaでいうところの独自の研究みたいな部分がめっちゃあるから信憑性は微妙です。

間違いとか「この資料抜けてない?」とか、私が見落としたオタ構文とかあったら教えてください。

 

※なお当記事は著作権法32条にもとづき文章中にJonny's Web内連載「僕ら虎の子、ひのまるしょって」の川島如恵留さん執筆分を引用しています。権利者様からの削除の依頼や警告に対しては速やかに対処いたします。

 

<本文>

ゆっくり

→ヲタクの語彙は難しい・その1参照


いっけなーい!

自給自足!(投げきっすを飲み込む仕草)


私、のえさんこと川島如恵留

Travis Japan最年長のBrain Tiger


しっかり者で頭脳明晰で何でもできるアイドルになろうと気張ってきたんだけど…

9/14ののえまるでオタクのカミングアウトをしてから今まで築き上げてきたキャラがブレちゃって大変なことになっちゃった!


MYOJOさんの読者投票企画のJr.大賞の結果次第で更に新しい属性が追加されちゃうかもーーー!?


一体私、これからどうなっちゃうの〜!?

→長いんだよなぁ…。

これはおそらくいくつかのミームが混ざって形成された構文だと思うので各個説明します。一発目からカロリーが高い。


「いっけなーい!」(遅刻寸前でトーストをくわえて疾走する少女)は少女漫画の非実在テンプレート。

サルでも描けるまんが教室(1989年)にはすでにネタにされているが、実際こちらの作品でパロディとして扱われる以前にこういった状況を描いた作品は存在しないとされる。

「慌てていて人とぶつかる」
「たまたま知り合った男性が後日転校してくる」

「印象のよくない出会い方をした男と再会し最終的に恋仲に」

「寝坊した主人公がパンをくわえて家を出る」

この辺の描写がごっちゃになって生まれた、少女漫画のあるあるネタのようなもの。

この件についてはたぶんめちゃくちゃ先行研究があるからそっちを見てほしい。

ほうとうひろし氏による食パンをくわえて登校するキャライメージの元祖探し - Togetter

余談ですが、以前遅刻寸前に起きたときにパンを食べながら走れるのか検証してみたんですが咀嚼がめちゃくちゃ難しいです。

舌を噛む。危険。


(投げきっすを飲み込む仕草)は(◯◯する動作)というオタ構文の上品アレンジなんだと勝手に思ってる。

()内に状態を表す言葉を入れて、文章をわかりやすくかつユーモラスにする手法は遅くとも1990年代後半には確立されているんだけど、「◯◯する動作」が生まれるのは思ってたより遅そう。はっきりこれだとわかる初出はちょっと出てこなかった。

Twitterでは2008年12月1日が初出。2009年頃にはTwitterをチャットみたいに使ってる人たちだけの言い回しだったみたい。その頃はプログラムの動作に関するツイートの方が一般的だった。(until検索する動作)

こういう使い方が徐々に増えてくるのは2012年からかなぁ…。

この構文でいちばん有名なのはおそらく「眼鏡をクイッとする動作」


名前と属性を申告したあと自身が置かれている状況を話すのは子供向けのアニメや少女漫画原作のアニメでよくある。

セーラームーン(1992年3月7日〜1993年2月27日)、飛べ!イサミ(1995年4月8日〜1996年3月30日)、カードキャプターさくら(1998年4月7日〜1999年6月22日)、東京ミュウミュウ(2002年4月6日〜2003年3月29日)、あたりが混ざって抽象化されたテンプレートなんじゃないかと思うんだけどどうだろう。

無謀コマンダー氏によるオープニングナレーション辞典→ƒI[ƒvƒjƒ“ƒOƒiƒŒ[ƒVƒ‡ƒ“Ž«“T

アメリカの30分ドラマ「おまかせアレックス」の日本語吹替(日本では1997年〜1999年放送)などでも同様の様式が見られるから、90年代から2000年代前半にかけての流行だったのかもしれない。


「一体私、これからどうなっちゃうの〜!?」も逆ハーレム系アニメとか魔女っ子アニメっぽいけど元ネタはどれなんだろうね。

オープニングナレーションで今後の展開に不安をしめす作品は意外と少なく、上記のオープニングナレーションまとめサイトではカスミン(2001年10月13日〜2003年10月1日)、Q.E.D〜証明終了(2009年1月8日〜3月12日まで放送の漫画原作のTVドラマ)、ジュエルペット(2009年4月〜2015年12月)くらい。


これだけ見ると、90年代は苦境でも明るく前向きな主人公が強く求められていたけど00年代前半から「弱気な主人公がいたっていいじゃん」という空気が生まれたとも読める。


余談だけど、みんな大好きな「いっけな〜い🔪殺意殺意💦」は2015年12月1日に元ツイートが投稿されるやいなや瞬く間に改変ツイートが量産されており、11月30日と12月1日でまるで違う世界がTwitterに広がっている。

 

MyojoのJr.大賞、Travis Japanにとっても如恵留さんにとってもいい結果になりますように…………………Myojoのこと考えたくなくてこのブログ書いてるとこ is ある……………………………………………。

 

(すっとぼけ)

淫夢語録。

COAT CORPORATION制作のゲイ向けアダルトビデオ「大人の事件簿6〜不機嫌な果実〜」の台詞「そうだったっけ?」に視聴者が(すっとぼけ)をつけたやつ。(本編の初出はわかんなかったけど2012年8月11日にニコニコ動画に一部転載されている)

淫夢ってどこから広まったの?なんJ?

淫夢が広まった2012年とか13年の如恵留さんって「えっちなのはいけないと思います!」感がバッチバチに伝わってくるたたずまいなんだけど、元ネタの動画はご覧になったりしたのでしょうか。

 


もうやめてっ…!のえまる読者のライフはもう0よっ…!

→ 「もうやめて!◯◯のライフはもう0よ!」

やりすぎをおもしろおかしくたしなめるときに使うオタ構文。

遊⭐︎戯⭐︎王デュエルモンスターズ162話「ティマイオス発動せず」(2003年7月1日放送)より。元々のセリフは「もうやめて遊戯!とっくに羽蛾のライフはゼロよ、もう勝負はついたのよ!」

ひどい挑発行為を行った羽蛾へ勝敗が決した後も攻撃を続けようとした闇遊戯に対して杏子がいったセリフ。

ティマイオス発動せず (てぃまいおすはつどうせず)とは【ピクシブ百科事典】

これ私リアタイで見てたんだけどいろいろ大変な衝撃でしたね。

インセクター羽蛾ゲス可愛いがすぎるし闇遊戯が遊戯のこと好きすぎるしホビーアニメの主人公が殺人一歩手前までいくしで、キャラ萌えと腐萌えとストーリーに驚嘆する気持ちとが混ざり合って大変だったのに周りは誰も遊戯王みてなくてわかってもらえず非常につらかった。

そして1週間のうち30分だけ許されたテレビタイムに遊⭐︎戯⭐︎王デュエルモンスターズを視聴していたかわしまのえるくん(9)可愛い可愛いね…。

子供を過度に抑圧して育てるとオタクになる説を実証するサンプルとしてこれ以上のものはなかなかないよね……。

ただ、1週間でたった30分のテレビタイムに、考え抜いた末に遊⭐︎戯⭐︎王を選ぶかわしまのえるくん(9)はすでにオタクとしてのセンスが抜群なので、本人の資質によるところも大きい気もする。


こちらがニコニコ動画でMADとして流行したのが2007年頃。なのでTwitterではサービス開始当初から「ライフはもう0よ!」という言い回しが使われている

中学生の川島ノエルくん(13)、ずっと俺のターンMADめちゃくちゃ見てたんだろうなぁ。あれ本当に永遠に笑ってられるよね。

 

 

今日も生きててえらーい!

→肯定ペンギンのあかちゃん(2017年4月4日るるてあ氏@k_r_r_l_l_によりTwitterにポストされたペンギンのキャラクター)が、LINEスタンプで発したセリフ「生きててえらい…!」より。

「肯定ペンギン」という生き物に関しては実は2013年頃にはすでにTwitterに存在してるが、こちらは基本的に相槌を打ったり発言内容を肯定する生き物である。

ex:「せやな(肯定ペンギン)」、「肯定ペンギン< うん」

類似の概念として「問いプードル」がある。

こちらの肯定ペンギンが、後述の「生きていることを褒める」というTwitter内での流行と混ざりあい肯定ペンギンのあかちゃんというキャラクターが誕生したと思われる。

ちなみに「肯定ペンギン」という言葉は電通が商標登録しているため、るるてあ氏のLINEスタンプは肯定ペンギンのあかちゃんではなく「コウペンちゃん」となっている。

 

 

ちゃんと呼吸を忘れずに吸って吐いてしてえらいっ!

→生きているだけで褒めてくれるbot(2016年初出)群にありがちな褒め方。
生きてるだけで褒めてほしい、というツイート自体は2010年頃からあったが、2016年5月23日に「見事な肺呼吸だ」と発言する赤井秀一(名探偵コナンに登場するキャラクター)のイラストが投稿され、「生きてるだけで褒めてくれる◯◯botほしい」といったツイートが散見されるようになり、同年7月頃「生きてるだけで褒めてくれる赤井bot」が誕生する。

この後、オタクたちに支持を得ていろいろなキャラクターや人物の生きてるだけで褒めてくれるbotが生まれる。

出勤、登校、起床、入浴、就寝といった日常生活のありとあらゆるタスクから、二足歩行や肺呼吸までなんでも褒めてくれる。


それにしても2014年に「バブみ」「オギャる」などと母親を求めていたオタクたちが2016年には「生きてるだけで褒めてほしい」とか言い始めてるのいよいよ限界きた感ある。


感謝…!圧倒的感謝っ…!!

→ヲタクの語彙は難しい・その1参照


ついてきてくれよなっ!ってばよ!

NARUTO(週刊少年ジャンプ1999年43号〜2014年50号に掲載)の主人公うずまきナルトの口癖。

ちなみにNARUTOは舞台化もされており、2006年の初演は屋良朝幸くんがうずまきナルトを演じている。


SHOCKの金髪の人

ニコニコ動画の投稿者につけられるタグ「◯◯の人」より。

だと勝手に思ってるけどそういうつもりなかったらごめんね。

◯◯には、動画やキャプションなどに含まれる特徴的な言葉や画像、またはいちばん再生回数がのびた動画のタイトルなどが入る。

ex:「ョの人」「夜が明けたの人」「大蛇丸の人」

これの源流はおそらく丸大食品のお歳暮・お中元用ハムのCMで使用された「ハムの人」というキャッチコピー。


ぺこり。

→ヲタクの語彙は難しい・その2参照

 

金髪だけどね!?

→これがオタ構文かと言われると微妙だけど、「語尾が上がる」をあらわす記号として、疑問文ではないのに「?」を用いる文体はインターネット発祥。私が「これ言う人たぶんオタク」と判断する基準のひとつ。

初出とか発生源とか詳しいことはまるでわからなかったけど、16、7年前にはすでにあったはず。

当時の個人サイトの小説ではすでに「僕を怒らせたね?(暗黒微笑)」とか「好きだよ?ホントだよ?(首こてん)」みたいなのがけっこういっぱいあった。チャットや掲示板では「好きだよ?」と「好きだよ(語尾上がる)」が混在してたけど、2007年くらいにはほぼ完全に「好きだよ?」が覇権を取ってますね。

 


「たくさん コメント してくれるなんてさすがだぞ!どうやったら のえさん が 喜ぶのかを ばっちり 理解しているんだな!」

→ホップくん構文。

ヲタクの語彙は難しい・その2参照

 


あわわわわ。

→1997年9月25日発売のセガサターンソフト「卒業S」にはすでに慌てた時に言うセリフとして「あわわわわ…」が使用されている。

絶対もっと前からあるし、手塚治虫先生の時代にはすでにあったと思うし、なんなら江戸時代からあってもおかしくないけど、調べられませんでした。無念。

 


東京なう

→2007年4月11日が「◯◯なう」の最古のツイートらしいよ。

ただ、Twitter発祥の言葉ではない。mixi時代にすでに「◯◯ナウ」が使われているはず。

「◯◯ナウ」の起源 @ val it: α → α = fun

こちらのサイトによれば2004年11月にはすでにあるとのこと。

2009年から「◯◯なうはダサい」といったツイートが現れはじめ2015年には死語認定されている。

「○○なう」はもう古い!実は死語だと知らずに使っているフレーズランキング (2015年5月9日) - エキサイトニュース

(ryに続く平成に置いてこい案件。若い子なのに語彙が微妙に古い如恵留さんとってもとっても可愛いね。

古くてダサいとされていたものが新たに見直されたり急に流行ることもあるから、もしかしたらまた流行ったりするかもね。

 

<結文>

如恵留さん淫夢語録好きすぎて可愛い(迫真)

もう元ネタを知らないで使っている人も多いと思うし、私も元ネタ知らなかったんだけど、のえまるきっかけで原作が気になっちゃって語録を読んで動画も見れるやつは見ました。なるほどこれは流行る。

2007年とか2008年頃にやってたテニミュ空耳みたいなやつがゲイ向けアダルトビデオに場所を移したのかな、という印象です。

時代が変わってもこういうキッチュな遊び方って変わらないんだね。

 

本日の総評:問いプードルは深淵

 

以上、hiroでした〜!